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平成30年3月2日 発表
関東財務局
1.株式会社グロースアドバイザーズ(本店:東京都中央区、法人番号6010001144277)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われました。(平成30年2月23日付)
〇 役職員が顧客取引を利用して自己の利益を図る目的をもって行う投資助言行為及び自己取引を防止する態勢が構築されていない状況
(1)役職員が顧客取引を利用して自己の利益を図る目的をもって行った投資助言行為
当社における投資判断者の一人であり、営業部門を統括する立場にある甲部長は、遅くとも平成27年12月から同29年3月までの間、以下の流れで不適切な行為を行っている事実が認められた。
ⅰ.自らの担当顧客等の買付けにより短期的な株価上昇を期待できる出来高の少ない銘柄を選定する。
ⅱ.上記ⅰで選定した、少なくとも10銘柄(以下「上記10銘柄」という。)を自己名義の証券口座で買い付ける。
ⅲ.上記10銘柄について、顧客の買付けに基づく価格変動を利用して自己の利益を図る目的をもって、自らの指示通りに売買を行ってくれる複数の顧客に対して、自らの意図するタイミングで買付けを発注するよう投資助言を行うことにより株価を引き上げさせる。
ⅳ.自らの発注を意図的に顧客の発注と対当させるなどして売り抜けることにより、利益を得ている。
(2)役職員の株式取引及び投資助言に係る管理態勢が構築されていない状況
当社は、役職員が顧客取引を利用して自己の利益を図るなどの不適切な株式取引を防止するための社内規程等を明文化していないなど当社設立以降、代表取締役らは、役職員の株式取引を把握・管理するための管理態勢を何ら構築していないほか、投資顧問契約に基づく助言の内容を記載した書面を作成・保存するよう指導を徹底していなかった。
このため、当社は、上記(1)のとおり、甲部長が1年4か月にわたり、社内において業務用パソコン等を利用して頻繁に不適切な行為を行っていたにもかかわらず、当該行為を把握できていない。
このように、当社においては、職員によって顧客取引に基づく価格の変動を利用して自己の利益を図る目的を有する投資助言行為という投資者の投資助言業者に対する信頼を損ねる当該行為が長期間にわたり行われている状況を把握できておらず、投資助言業務を適切に遂行するための内部管理態勢が構築されていないほか、役職員による不適切な自己取引の未然防止や早期発見するための業務運営態勢が構築されていない。
当社における上記のような業務運営状況は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
2.以上のことから、本日、当社に対し、金融商品取引法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行いました。
〇 業務改善命令
1)役職員が行う投資助言業務の実態を正確かつ網羅的に把握し、投資助言業務を適切に遂行するための内部管理態勢を早急に構築するとともに、確実に機能するように内部監査を実施するなどして役職員に対するけん制態勢を構築すること。
2)役職員による不適切な行為を防止するための実効性の高い再発防止策を策定し、役職員自身による業務の自己点検や必要に応じて外部の知見を活用した研修の実施等により役職員の法令等遵守意識を高めるなどして確実に実行すること。
3)顧客に対し、今回の行政処分の内容を説明し、適切な対応を行うこと。特に、本件一連の行為において投資助言を受けた顧客に対しては、顧客の公平に配慮しつつ、適切に対応すること。
4)本件に係る責任の所在を明確にすること。
5)上記1)から4)までについて、具体的な改善策を平成30年4月2日までに書面により報告すること。
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