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金融庁より抜粋
平成29年4月から、「仮想通貨」に関する新しい制度が開始されます。
改正資金決済法等の施行
仮想通貨が身近になりつつある中、仮想通貨交換サービスが適切に実施されるよう制度整備を行いました。
はじめに
仮想通貨が、ショッピングや送金などの際に支払・資金決済ツールとして利用される機会が増えてきています。
仮想通貨とは…
改正資金決済法では、次の性質を持つ財産的価値をいいます。
①不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
②電子的に記録され、移転できる
③法定通貨又は法定通貨建ての資産(プイペイドカード等)ではない
有名な仮想通貨として、例えば、ビットコインがあります。
仮想通貨交換業(仮想通貨交換サービス)とは…
改正資金決済法では、仮想通貨と法定通貨又は仮想通貨同士の交換や交換に際して利用者の金銭・仮想通貨を管理する業務をいいます。
今回の制度は、利用者保護やマネーロンダリング対策の観点から、仮想通貨交換サービスを行う事業者に対し、以下の業務を課すものです。
①仮想通貨交換サービスを適切に実施するために…
登録制の導入
金融庁・財務局の登録を受けた事業者(以下「登録業者」)のみが、国内で仮想通貨交換サービスを行う事ができます。
※登録を受けるためには、株式会社であることや資本金の額が1,000万円以上であることなど、一定の要件を満たす必要があります。
②利用者がリスク等を理解の上、取引を開始できるようにするために…
利用者への適切な情報提供
利用者に次の情報を提供することが義務付けられています。
○取り扱う仮想通貨の名称や仕組み等の説明
○仮想通貨の特性(法定通貨ではないこと、価格変動があることなど)
○手数料等の契約内容 等
③利用者財産を適切に管理するために…
利用者財産の分別管理
利用者から預かった金銭・仮想通貨と、
事業者自身の金銭・仮想通貨とを明確に区分して管理することが義務付けられています。
④マネー・ローンダリング対策のために…
取引時確認の実施
次の場合には、運転免許証などの公的証明書の確認等が義務付けられます。利用者の皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。
○口座開設時
○200万円超の仮想通貨の交換・現金取引
○10万円超の仮想通貨の移転(送金)
※一度取引時確認が済んでいれば、原則として公的証明書の再提示等は必要ありません。
仮想通貨の交換は、スマートフォンからでも簡単に開始できる状況になっています。
これからサービスを利用する方も、既にサービスを利用している方も、
まずは、次の点を確認することが重要です。
金融庁・財務局の登録を受けた事業者であるか確認していますか?
→ 登録業者の名称は、随時、金融庁ウェブサイトで公表します。
※制度開始以前から仮想通貨交換サービスを行っている事業者については、制度開始から6ヶ月間の登録猶予期間が設けられています。
取引する仮想通貨の内容に関する説明を登録業者から受けていますか?
→ 登録業者は、利用者に対して取り扱う仮想通貨の仕組みやリスクについて説明する義務があります。例えば、仮想通貨が法定通貨ではないことや価格変動に伴う損失リスクがある事などについて、登録業者から説明を聞き、理解した上で取引を行うようにしましょう。
なお、登録業者が取り扱う仮想通貨については、随時、金融庁ウェブサイトで公表します。
取引内容や手数料などに関する説明を登録業者から受けていますか?
→ 登録業者は、利用者に対して、これから行おうとする取引の内容(取引金額など)や手数料などについて説明する義務があります。登録業者からの説明を聞き、理解した上で取引を行うようにしましょう。
自身が行った取引の履歴や残高について、適時確認していますか?
→ 利用者は、自身が行った取引の履歴や事業者に預けている金銭又は仮想通貨の残高についてしっかりと把握することが重要です。登録業者は、最低3か月に1度、利用者に対し、取引の記録や残高について情報提供することが義務付けられています。
これらの情報について、事業者のウェブサイト等でよく確認した上で、取引を行うことが重要です。
仮想通貨交換サービスに関してよくある質問と回答をご紹介します。
Q1 なぜ、仮想通貨に関する新しい制度が導入されることになったのですか。
A1 G7サミット等における国際的な要請や、国内の仮想通貨事業者の破綻事案を踏まえ、マネーローンダリング対策や利用者保護の観点から、仮想通貨交換業を行う者に対する規制を整備しました。
Q2 登録業者が取り扱う仮想通貨であれば、購入しても損はしないでしょうか。
また、金融庁・財務局が購入を推奨する仮想通貨はあるのでしょうか。
A2 登録業者が取り扱う仮想通貨であっても、例えば、価格が急激に低下するリスクなど、仮想通貨ごとに様々なリスクがあります。このため、登録業者からリスクに関する説明を受け、理解・検討した上で購入するかどうかを判断して下さい。
なお、金融庁・財務局が、特定の仮想通貨の購入を推奨することは一切ありません。
Q3 外国の事業者から、仮想通貨の交換について勧誘を受けましたが、取引しても問題ないでしょうか。
A3 まずは、金融庁ウェブサイトで登録業者かどうか確認ください。日本で登録を受けていない外国の事業者が、日本国内にお住いの方に対して、勧誘を行うことは禁止されています。
Q4 登録業者に預けた金銭や仮想通貨は、適切に管理されているのでしょうか。
A4 登録業者は、法令上、利用者から預かった金銭や仮想通貨と、事業者自身が保有する金銭や仮想通貨を明確に区分して管理すること、管理状況について年1回以上の外部監査を受けることが義務付けられています。
Q5 登録業者から仮想通貨の取引に必要とされる秘密鍵を受け取っていませんが、これは問題でしょうか。
A5 登録業者が利用者の秘密鍵を一括で管理しているケースも多くみられますが、直ちに問題とは言えません。いずれにしても、契約内容をよく確認した上で取引を行うこと、登録業者から付与された取引に必要な情報(IDやパスワード等)は、利用者自身で厳重に管理することが重要です。
【 よく使われる用語 】
ビットコイン
世界で最も普及・流通しているとされている仮想通貨の名称(単位はBTC)。
ウォレット
事業者により定義の差異はありますが、仮想通貨を保管するために使用される財布のようなもの。
秘密鍵
仮想通貨の送付時の取引で署名を行うために必要となるパスワードのようなもの。プライベートキーも同義。
ブロックチェーン
ビットコイン等に用いられている技術であり、取引データを参加者間で共有することにより、ビットコイン等の不正な利用(取引記録の改ざんなど)を防止することができるとされています。
最近、仮想通貨の購入に関する不審な勧誘についての相談が急増しています。
よくある相談事例をご紹介します。
事例1 聞き覚えのない業者から、電話で、仮想通貨の購入を勧められた。
事例2 投資に関するセミナーで「金融庁推薦」 「ここでしか買えません」「必ず価値が上がります」 「購入価格よりも高い値段で買い取ります」などの文句とともに、仮想通貨の購入を勧められた。
事例3 金融庁や財務局の職員など、公的機関の職員を名乗る者から、仮想通貨の購入を勧められた。
上記事例は、いずれも投資詐欺の可能性があります。
トラブルに巻き込まれないためにも、購入する前に次の事項にご留意ください。
・登録業者以外による仮想通貨の売買は禁止されています。
登録業者は、随時、金融庁のウェブサイトで公表します。
・金融庁、財務局が、特定の仮想通貨を推奨することは一切ありません。
・仮想通貨は、インターネット上で自由に取引することができ、その価格も市場で変動するものが多く、値上がりする保証はどこにもありません。
・金融庁などの職員が、仮想通貨の購入に関する勧誘を行うことは一切ありません。
政府広報オンラインより抜粋
「仮想通貨」は、近年、ショッピングなどの際に、支払・資金決済ツールとして利用される機会が広がっています。その理由の一つとして、仮想通貨と法定通貨を交換するサービス(仮想通貨交換業)を行う業者が登場し、利用者と仮想通貨の接点が多くなってきたことが考えられます。こうした中、「仮想通貨交換業」に関する新しい制度が平成29年4月1日から始まりました。
1.「仮想通貨」とは?
インターネット上でやりとりされ、通貨のような機能を持つ電子データ
仮想通貨は、インターネット上で自由にやりとりされ、通貨のような機能を持つ電子データです。仮想通貨は、銀行を使わなくとも、個人がインターネット上で自由に移転させることができるため、近年、ショッピングなどの際に、支払・資金決済ツールとして利用される機会が増えてきています。有名な仮想通貨として、例えば、ビットコイン(Bitcoin)があります。
【仮想通貨とは】
資金決済法において、仮想通貨は、次の性質をもつ財産的価値をいいます。
・不特定の者に対して、代金の支払いなどに使用でき、かつ法定通貨(日本円や米国ドルなど)と相互に交換できる
・電子的に記録され、移転できる
・法定通貨又は法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない
仮想通貨は、ショッピングでの支払いに利用できるなど、法定通貨と似た機能を持っています。こうした点から、仮想通貨を法定通貨と誤解する人がいますが、そうではありません。仮想通貨を利用する上で必ず理解しておきたいことは、「仮想通貨は、円やドルなどの法定通貨ではない」ということです。仮想通貨は、国家やその中央銀行により発行され、その価値が保証されているものでもありません。仮想通貨は、その価値を信頼する人たちの間でのみ通用するものであり、法定通貨のようにどこの店舗でも支払い等に利用できるとは限りません。
また、利用者は、「交換所」や「取引所」と呼ばれる業者からインターネットを介して仮想通貨を入手・換金するのが一般的であり、法定通貨のように実物の紙幣や硬貨はありません。仮想通貨の価格は、利用者の需給関係などの様々な要因により変動すると言われており、場合によっては、利用者が入手・換金したいと思う価格で取引できない、入手した仮想通貨が気づいたら無価値になっていた、というリスクがあることも利用者は理解しておく必要があります。
2.「仮想通貨交換業」とは?
仮想通貨と法定通貨、仮想通貨同士を交換するサービス
【仮想通貨交換業とは】
資金決済法において、仮想通貨交換業とは、「仮想通貨と法定通貨または仮想通貨同士の交換(交換の媒介、取次等を含みます。)」や「交換に際して利用者の金銭・仮想通貨を管理する業務」をいいます。
一般的に、仮想通貨交換業の仕組みは、次のように説明できます。
例えば、仮想通貨交換業者であるA社が、インターネットを通じて電子的に取引ができる「ネットエン」という仮想通貨を取り扱っているとします。
利用者は、A社を通じて、日本円や米ドルなどの法定通貨を「ネットエン」に交換することや、その逆で「ネットエン」を法定通貨に交換することができます。このようにして入手した「ネットエン」は、利用者自身が自ら管理することができるほか、A社が利用者に代わって仮想通貨の管理を行うサービスを提供する場合もあります。利用者は、「ネットエン」決済対応の店舗等で、「ネットエン」を決済に利用することができます。
今後、情報通信技術の進展に伴い、様々な仮想通貨交換業者が登場し、それぞれに特色のある仮想通貨交換業が行われる可能性があります。
3.なぜ仮想通貨交換業に関して、新しい制度が設けられたの?
利用者保護とマネー・ローンダリング対策のため
G7サミットにおける国際的な要請や、当時世界最大であった仮想通貨の取引所の破たん事案といった国内事情等に鑑み、利用者保護とマネー・ローンダリング対策を目的とした「仮想通貨交換業」に関する新しい制度が平成29年4月1日から始まりました。
(1)マネー・ローンダリング対策
仮想通貨の特性上、その移転が迅速かつ容易であるため、世界的にテロ・犯罪組織のマネー・ローンダリングに悪用される懸念が指摘されています。平成27年6月には、ドイツで開催されたG7エルマウ・サミット等において仮想通貨に関する規制が求められるなど、国際的な要請が行われました。
(2)利用者保護
我が国においては、取引量において当時世界最大規模の「仮想通貨」と法定通貨の交換所を営んでいた業者が破たんするという事案が発生しました。
同社の破産手続きに係る債権者集会の資料によれば、同社は債務超過に陥っていたことが明らかになっているほか、破産手続き開始時点で、同社が顧客から預かっていた金銭や仮想通貨に対して、実際に保有する金銭や仮想通貨が大幅に過小となっていたことが指摘されています。
このような背景を踏まえて、利用者保護とマネー・ローンダリング対策の観点から、仮想通貨と法定通貨の交換を行う者に登録制を導入し、こうした業者に対して次のような義務を課すよう法制度整備(資金決済法や犯罪収益移転防止法の改正)を行いました。
4.新制度はどんな内容なの?
事業者に登録制が導入され、利用者への情報提供や取引時の本人確認などが義務に
◆仮想通貨交換業者の義務
(1)登録制の導入
金融庁・財務局の登録を受けた事業者のみが、国内で仮想通貨交換業を行うことができます。登録を受けるためには、日本国内で仮想通貨交換業を行う事業者は、次のような要件を満たす必要があります。
・株式会社であること
・資本金が1,000万円以上、純資産がマイナスでないこと
・仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制が整備されていること など
(2)利用者への適切な情報提供
利用者が仮想通貨に関するリスクなどを理解したうえで、取引を開始できるようにするために、仮想通貨交換業者は、利用者に対して次の情報を提供することが義務づけられています。
・取り扱う仮想通貨の名称や仕組みなどの説明
・仮想通貨の特性(法定通貨ではないことや価格変動があることなど)
・手数料などの契約内容 など
(3)利用者財産の分別管理
仮想通貨交換業者は、利用者から預かった金銭・仮想通貨と、事業者自身の金銭・仮想通貨とを明確に区分して管理することが義務づけられています。また、利用者財産の管理状況については、年1回以上の外部監査を受けることが義務づけられています。
(4)取引時確認の実施
マネー・ローンダリング対策のために、次の場合には、利用者に対し運転免許証などの公的証明書による確認をすることが義務づけられます。一度、取引時確認が済んでいれば、原則として公的証明書の再提示等は必要ありません。
・口座開設時
・200万円を超える仮想通貨の交換・現金取引
・10万円を超える仮想通貨の移転
このほか、仮想通貨交換業者が上記の義務に違反するなど、不適切な行為があったときは、金融庁・財務局から業務改善命令や業務の停止命令等を出せるようになりました。
5.仮想通貨を利用する際の注意点は?
仮想通貨のリスクを理解し、利用するときは登録を受けた事業者か確認を
最近では、日本国内でも大手家電量販店の店頭で仮想通貨が使えるようになるなど、仮想通貨で決済できる店舗等が増えてきており、仮想通貨が身近になりつつあります。仮想通貨交換業者のサービスを利用するにあたっては、次のような点に注意しましょう。
(1)仮想通貨のリスクを理解する
◆法定通貨ではなく、国家の裏付けはありません
仮想通貨は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではないことを理解しましょう。
◆価値の変動があります
仮想通貨は、通貨の売買や経済状況などに応じて価値が変動することがあります。仮想通貨の価値が上がることもあれば、急落する場合もあります。そうしたリスクをよく理解しましょう。
上記以外にも、仮想通貨にはその種類ごとに様々なメリットとリスクがあります。利用する際は、慎重に情報を集め、仮想通貨交換業者から詳しく説明を受けましょう。
(2)仮想通貨交換業者のサービスを利用するときの注意点
仮想通貨交換業者のサービスを利用するときは、次のような点を確認してください。
◆金融庁・財務局の登録を受けた事業者か
仮想通貨交換業は、金融庁・財務局の登録を受けた事業者(登録業者)でなければ行うことができません。登録業者の名称は、随時、金融庁のウェブサイトで公表しています。
※資金決済に関する法律の一部改正に伴う経過措置により、平成29年4月1日より前に、現に仮想通貨交換業を行っていた者は、平成29年4月1日から起算して6月間に登録の申請をした場合は、その期間を経過した後も、その申請について登録または登録の拒否の処分があるまでの間、当該仮想通貨交換業を行うことができるとされています。
ただし、登録業者が取り扱う仮想通貨であるからといって、リスクがないということではありません。仮想通貨には、例えば、価格が急激に低下するリスクなど、仮想通貨ごとに様々なリスクがあることを十分理解しておきましょう。
◆取引する仮想通貨の内容に関する説明を仮想通貨交換業者から受けたか
仮想通貨交換業者は、利用者に対して取り扱う仮想通貨の仕組みやリスクなどについて説明する義務があります。必ず説明を聞き、仮想通貨の仕組みや、価格変動等の取引に伴うリスクなどを十分に理解した上で取引を行うかどうかを判断しましょう。
なお、仮想通貨交換業者が取り扱う仮想通貨は、金融庁ウェブサイトで公表しています。
◆取引内容や手数料などに関する説明を仮想通貨交換業者から受けたか
仮想通貨交換業者は、利用者に対して取引内容(取引金額など)や手数料などを説明する義務があります。必ず説明を聞き、理解した上で取引を行うかどうかを判断しましょう。
◆自分が行った取引の履歴や残高について随時確認しているか
自分が行った取引の履歴や、仮想通貨交換業者に預けている金銭や仮想通貨の残高についてしっかりと把握しておくことが重要です。仮想通貨交換業者は、利用者と継続的な取引を行う場合には、最低3か月に1度、利用者に対し、取引の記録や残高について情報提供することが義務づけられています。その内容をきちんと確認しましょう。
仮想通貨交換業者のサービスや利用する際の注意点等について、分かりやすくまとめたリーフレットを、金融庁ウェブサイト[PDF]で公表しています。
仮想通貨に関するトラブルの防止のために
仮想通貨交換業者のサービスを利用するときは、まずは以下の点を確認し、理解した上で取引を行うことが重要です。
□ 金融庁・財務局の登録を受けた事業者か
□ 取引する仮想通貨の内容に関する説明を仮想通貨交換業者から受けたか
□ 取引内容や手数料などに関する説明を仮想通貨交換業者から受けたか
□ 自分が行った取引の履歴や残高について随時確認しているか
また、仮想通貨を利用したサービスは、今後、様々な名称・形態で提供される可能性があります。例えば、「○○定期」や「△△積立」のように、サービス名からは取引内容やリスクを十分に判断できない場合も考えられます。業者から必ず説明を聞き、サービスや取引の内容等について十分に理解した上で取引を行うかどうかを判断しましょう。
最近は、仮想通貨に関するトラブルの相談が(独)国民生活センターなどに寄せられており、特に注意が必要です。主な相談事例は下記のとおりです。
<相談事例>
・知らない業者から、電話で仮想通貨の購入を勧められた。
・投資に関するセミナーで「金融庁推薦」「ここでしか買えません」「必ず価値が上がります」などと言われて、仮想通貨の購入を勧められた。
・「仮想通貨の購入価格を全額保証します」「購入価格よりも高い値段で買い取ります」などと言われて、仮想通貨の購入を勧められた。
上記の事例はいずれも詐欺の可能性があります。トラブルに巻き込まれないためにも、次のことに注意してください。
<トラブルを避けるために>
・契約するつもりがなければ、はっきりと断りましょう。
・金融庁ウェブサイトなどで登録業者かどうかを確認しましょう。
登録業者以外の業者が仮想通貨を売買することは禁止されています。
・金融庁や財務局などの官公署の職員が、特定の仮想通貨を勧めることや、仮想通貨の購入に関する勧誘を行うことは一切ありません。
・仮想通貨は、インターネット上で自由に取引することができ、その価格も市場で変動するものが多く、値上がりする保証はどこにもありません。
・「必ず値上がりする」「きっと儲かる」といった言葉はうのみにせず、リスクが十分に理解できなければ契約しないでください。
金融庁より抜粋
1.MT GOXの事案について
○ビットコインの売買業務を行っていたMTGOX社について、破産手続が開始(2014年)
2.国際的な議論の状況
○G7エルマウ・サミット首脳宣言(2015年6月)
「我々は、仮想通貨及びその他の新たな支払手段の適切な規制を含め、全ての金融の流れの透明性拡大を 確保するために更なる行動をとる。 」
○FATF(金融活動作業部会)ガイダンス(2015年6月)
「各国は、仮想通貨と法定通貨を交換する交換所に対し、登録・免許制を課すとともに、顧客の本人確認義務 等のマネーロンダリング・テロ資金供与規制を課すべきである。」
3.資金決済法・犯罪収益移転防止法等の改正(2017年4月施行)
○暗号資産の交換業者に登録制を導入
・口座開設時における本人確認等を義務付け
・利用者保護の観点から、一定の制度的枠組みを整備
(最低資本金、顧客に対する情報提供、顧客財産と業者財産の分別管理、システムの安全管理 など)
4.暗号資産を取り巻く環境の変化
顧客の暗号資産の流出事案が発生
暗号資産が投機対象化
事業規模の急拡大の一方で、交換業者の態勢整備が不十分
暗号資産を用いた新たな取引が登場(証拠金取引、ICO)
⇒ 「仮想通貨交換業等に関する研究会」を11回にわたり開催(2018年4月~12月)し、暗号資産交換業等を巡る諸問題についての制度的な対応を検討
5.資金決済法・金融商品取引法等の改正(2019年6月公布、2020年5月施行)
○利用者保護の確保やルールの明確化のための制度整備
○国際的な動向等を踏まえ、法令上の呼称を「仮想通貨」から「暗号資産」に変更
暗号資産の流出リスクへの対応
○交換業者が顧客から預かっていた暗号資産のうち、ホットウォレット(オンライン)で管理していた暗号資産が流出する事案が複数発生
↓
○交換業者に対し、業務の円滑な遂行等のために必要なもの(顧客から預かる暗号資産全量の5%を上限)を除き、顧客の暗号資産を信頼性の高い方法(コールドウォレット等)で管理することを義務付け
ホットウォレットで管理する顧客の暗号資産については、別途、見合いの弁済原資(同種・同量の暗号資産)の保持を義務付け
過剰な広告・勧誘への対応
○交換業者による過剰な表現を用いた広告・勧誘
↓
○広告・勧誘規制を整備
・虚偽表示・誇大広告の禁止
・投機を助長するような広告・勧誘の禁止 など
暗号資産の管理のみを行う業者への対応
○FATF(マネロン対策等を扱う国際会議)が、暗号資産の管理のみを行う業者(カストディ業者)について、各国協調して規制を課すことを求める勧告を採択〔2018年10月〕
↓
○カストディ業者に対し、暗号資産交換業規制のうち、暗号資産の管理に関する規制を適用(本人確認義務、分別管理義務 など)
問題がある暗号資産への対応
○移転記録が公開されずマネロンに利用されやすいなどの問題がある暗号資産が登場
↓
○交換業者が取り扱う暗号資産の変更を事前届出とし、問題がないかチェックする仕組みを整備
(注)交換業者が取り扱う暗号資産を審査する自主規制機関とも連携
暗号資産を用いた不公正な行為への対応
○暗号資産の取引において、不当な価格操作等が行われている、との指摘
↓
○風説の流布・価格操作等の不公正な行為を禁止
暗号資産に関するその他の対応
○交換業者の倒産時に、預かっていた暗号資産を顧客に優先的に返還するための規定を整備
○国内の暗号資産の取引の約8割を占める証拠金取引について、現状では規制対象外
○暗号資産の有用性について評価が定まっておらず、また現時点では専ら 投機を助長しているとの指摘もある中で、積極的な社会的意義を見出し難い
↓
○暗号資産を原資産とするデリバティブ取引を金商法の規制対象に追加 ⇒ 店頭デリバティブ取引を業として行う場合には、第一種金融商品取引業登録が必要
○外国為替証拠金取引(FX取引)と同様に、金商法上の規制(販売・勧誘規制等)を整備
・証拠金の上限倍率(レバレッジ倍率)を、以下の通り設定
個人向け取引:主要な暗号資産であっても価格変動が激しいものが複数存在していることや、
顧客に対する規制の簡明性確保の観点を踏まえ、暗号資産の種類によらず2倍とする
法人向け取引:時々の価格変動に基づく必要な証拠金率を、暗号資産のペア毎に週次で算出する
・暗号資産の特性に関する規制について、暗号資産交換業者に求める対応と同様に整備
(暗号資産の性質に関する説明義務、問題がある暗号資産の取扱禁止、広告に関する規制など)
○ICOに明確な定義はないが、企業等がブロックチェーン技術等を用いて電子的にトークンを発行して、投資家から資金を調達する行為の総称とされている(投資家が収益分配を受ける権利を有する場合はSTOとも呼ばれる)
○従来、ICOに適用されるルールが不明確
[指摘されているメリット]
○発行コストや管理コストが低下する可能性
○発行と流通を1つのプラットフォームで行える
[指摘されている懸念点]
○詐欺事案、ずさんな計画に基づく事案の増加
○流動性が増すことによる被害の拡大リスク
○流出リスクなどの新たなリスク
⇓
○投資者被害が多発すると、適切な案件への投資も委縮する等して、イノベーションを阻害するおそれ
⇒ 発行者・仲介業者による行為の適切性を確保することが、イノベーション・投資者保護の両面から重要
○収益分配を受ける権利が付与されたトークンについて、
・投資家に暗号資産を対価としてトークンを発行する行為に、金商法が適用されることを明確化
・発行者による投資家への情報開示の制度やトークンの売買の仲介業者に対する販売・勧誘規制等を整備
○また、ブロックチェーン等を利用した集団投資スキームは、個人が容易に投資できるようになり、流通性や詐欺等のリスクが増す可能性があることから、発行者開示の適用基準が厳しい(1)のカテゴリーの有価証券と位置付け
(ただし、保有者が 「一定の投資家」(適格機関投資家、資本金5,000万円以上の法人、証券口座開設後1年以上かつ投資性金融資産・暗号資産の合計残高が1億円以上の個人など)に技術的に制限されており、かつ、トークンの譲渡に発行者の承諾が必要であるものは、(2)のカテゴリーのままとする)
(参考)有価証券の分類
(1)株式・公社債・投資信託 など
発行者の開示:50名以上の一般投資家への勧誘 + 発行額1億円以上の場合
売買等を行う業者:第一種金融商品取引業(最低資本金:5,000万円)
(2)集団投資スキーム など
※ 投資家から調達した資金・暗号資産を用いて事業を行い、その収益を投資家に分配するもの
発行者の開示:500名以上の投資家の保有+ 発行額1億円以上+ 出資金の50%以上を有価証券に投資する場合
売買等を行う業者:第二種金融商品取引業(最低資本金:1,000万円)