「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる㈱CCSに関する注意喚起

令和元年5月17日
消費者庁 参照


平成30年9月以降、「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる事業者に関する相談が数多く寄せられています。
調査を行ったところ、「株式会社CCS」(以下「CCS」といいます。)との取引において、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(虚偽・誇大な広告・表示及び不実告知)を確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。

また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。

 

1.事業者の概要(注1)


名称 株式会社CCS(法人番号3380001023554)(注2)
所在地 東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル5階
代表者 發智 良太

(注1)商業登記されている内容です。

(注2)同名又は類似名の事業者と間違えないようご注意ください。

 

2.具体的な事例の概要

(1) CCSは、消費者に「Tech Box無料アプリ」を体験させます。

ア CCSは、SNS等に
「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる次世代の複合型アプリTech Box」
「0円から始めて1年後1080万円完全保証」
といった広告を掲載し、消費者を自社のウェブサイトに誘導します。
CCSは、ウェブサイト上で、
「ゲーム感覚で稼げる日本初の暗号通貨アプリを今日から無料で使える視聴者体験型プロジェクト」とうたって、「Tech Frontier Project」と称する組織(以下「Project」といいます。)への入会を勧誘し、関心があればウェブサイト上でメールアドレスを登録するよう消費者を促します。


イ 関心を持った消費者が自身のメールアドレスを登録すると、CCSは、そのメールアドレスに、「【Tech Frontier】南栄作のLINEアカウントを友だち登録すれば、会員登録が完了し、『Tech Box 無料アプリ』をプレゼントする」旨のメッセージを送信します。
このメッセージでは、南栄作(以下「南」といいます。)は、Project の創始者であり、「Tech Box」の開発者であるとして紹介されています。
また、「Tech Box」とは、同一の仮想通貨について、複数の取引所間で価格差が生じた際に、通知音及び点滅で知らせる機能を有するアプリケーション(以下「アプリ」といいます。)で、ユーザーが、当該アプリ上、1日15 分の操作で、通知音及び点滅のタイミングで仮想通貨の取引をすることで、毎日最低3万円の収益を確実に得ることができるものであるなどの説明がされています。
「Tech Box 無料アプリ」については、「Tech Box」を体験できる無料のデモンストレーション版であるなどの説明がされています(以下では、「Tech Box 無料アプリ」のことを「無料アプリ」といい、「Tech Box」のことを「本番環境アプリ」といいます。)。


ウ 消費者が、上記のLINEアカウントを友だち登録すると、会員登録が完了したとして、CCSから、無料アプリのダウンロードのためのURL等の送信があり、無料アプリを使用することができるようになります。
無料アプリでは、あたかも仮想通貨の7つの取引所に口座が開設され、入金されたかのような状態が画面上に表示され、所定の仮想通貨について、取引所間で価格差が生じると、スマートフォンのプッシュ通知が機能し、消費者に通知されます。消費者が無料アプリを開くと、「TRADE」画面上の取引所の表示が点滅し、これをタップすると、取引が完了して収益が確定したとされ、当該取引によって獲得したとされる収益が表示されます。
このような無料アプリにより、 消費者は、アプリの指示に従った仮想通貨取引により収益を得たかのような疑似体験をし、それにより、本番環境アプリを使えば、簡単に収益を得られるかのような期待を抱きます。

 

(2) CCSは、本番環境アプリをプレゼントするとして、有料会員となることを勧誘します。

ア CCSは、無料の会員登録をした消費者に対し、メール、LINEメッセージ等及びこれらに添付された動画等によって、「Tech Frontier Masters」と称する組織の有料会員になれば、本番環境アプリをプレゼントすると説明します。さらに、
「1日15 分で毎日最低3万円を確実に稼いで頂きます」
「半年で資産2000 万円まで導きます」
「(有料会員の)仲間全員が確実に100%損することなく毎日最低3万円以上稼げている」
などと告げ、また、本番環境アプリを使用したことによって現に月収90 万円及び月収150万円をそれぞれ稼いだとされる有料会員を紹介するなどして、入会をするよう勧誘します。
そして入会費用として9万8000 円の支払を求めます


イ この説明を信じて9万8000 円を支払い、有料会員になった消費者は、本番環境アプリを使用できるようになりますが、その内容は、無料アプリで体験した機能とは 大きく異なります。
すなわち、無料アプリでは、あたかも仮想通貨の7つの取引所に口座が開設され、入金されたかのような状態が画面上に表示され、画面上で点滅する取引所をタップするだけで収益が確定したとされたのに対し、本番環境アプリでは、前提となる取引所への口座開設ができていないために、画面上で点滅した取引所をタップしても、その取引所への接続が試みられるにすぎません。また、消費者が、独自に一部の口座を開設したとしても、タップによって取引が完了するというものではなく、本番環境アプリによる点滅の都度、その取引所に接続して、手動で取引をする必要があるといった報告もされています。

 

(3) CCSは、本番環境アプリを使用する消費者に対し、より高額なアプリの購入を勧誘します。

ア 本番環境アプリを使用し始めた消費者は、その使用方法についてはCCSに電話相談を受けるよう促され、ウェブサイト上に設けられた相談予約フォームに希望日時等を入力します。
これに対し、CCSは、消費者に電話するものの、本番環境アプリについての相談に乗ることはなく、新たに、「Tech ROID3.0」というアプリについて、
「あなたは、Tech Box よりすごいTech ROID3.0 を受け取れる11 人の一人に選ばれまし た。」
「何もせずに2週間に一度確認するだけで1日15 万円稼げます。」
「49 万8000 円のところ10 万円でいいです。」
「クレジット決済なら、最初の引落としまでに十分元がとれます。」
などとして、購入の勧誘をします。
CCSは、「Tech ROID3.0」とは、本番環境アプリの機能に加えて、ユーザーによる1日15 分の操作すら必要とせずに、確実に1 日に15 万円を稼ぐアプリであると説明します。


イ 消費者は、CCSから個別に提示された金額で「Tech ROID3.0」を購入することを申し込み、代金を支払いますが、代金を支払ったにもかかわらず、ダウンロードすらできなかったとの事例も確認されています。
また、この代金決済に関しては、消費者が、CCSからクレジットカード番号を巧みに聞き出され、代金10 万円で合意したにもかかわらず49 万8000 円の決済がされたとか、分割払で合意したにもかかわらず、一括払によって決済がなされたといった事例も報告されています。

 

(4) 本番環境アプリ及び「Tech ROID3.0」の実態

ア 本番環境アプリ、「Tech ROID3.0」いずれについても、そもそも、これらを使用するだけで、複数の取引所に口座が開設されて、仮想通貨の売り買いができるというものではないため、取引の前提として、消費者自らが、仮想通貨取引を可能にするための条件を整える必要があります。
しかし、無料アプリで掲載されていた7つの取引所のうちの多くについては、消費者への口座開設の新規募集をしておらず、口座を開設することすらできなかったという報告もされています。


イ また、不安定で予測困難な値動きをする仮想通貨取引の性質に鑑みても、これらのアプリは、CCSがうたうような確実な収益を得るといった仕組みにはなっておらず、現に、CCSがうたう確実な収益を上げた実績の存在は確認できていません。

 


該当する方は早めに専門家へ相談してください。
専門でないと、
「あきらめなさい」
「どうせ取り返せない」などと言われます。

 

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